漫画のドラマ化問題

「セクシー田中さん」の作者、漫画家の芦原妃名子さんが自殺した事件をネットでよく見かけるようになりました。


ドラマも漫画も見てなかったので事情が分からなかったのですが、ドラマ化にあたり、芦原妃名子さんから原作に忠実にという申し出していたのに無視されたことでのトラブルがあって、そのことが原因と思われる自殺なのではないかという話です。


最後の2回は彼女自身が脚本を書いて、本来の脚本家の相沢友子さんとは微妙なやりとりがネット上であったようです。


これ、なぜ個人間でしないんでしょうね。ネットですれば炎上するのが分かりそうなものなのに。


原作クラッシャーとはまた激しい言葉が使われてます。


好きな作品がテレビやドラマで取り上げられて、見たらがっかりするということは多いです。読者でもそうですから作者の気持ちはいかばかりかと思います。ドラマのほうが原作よりよかったということもあったような気がしますが、すぐには思い出さないくらい稀なことです。


テレビドラマはメディアとしては大きいので、原作をないがしろにして作ることが目にはつきます。なんかエラソーで、たいがい改悪されます。


ドラマの肩を持つとすれば、全く違う表現方法なので、原作に忠実にということは無理だろうなということです。


漫画はコマと作者の持つ線により「現実にない世界」を作り出すとこに魅力があります。


ですから漫画だと3メートルある大きい人を出しても不自然ではなくなります。ピッチャーの投げたボール一球がキャッチャーに届くまで30分かかることやバスケット一試合が半年続いたりします。


ところがそれをドラマにしたときには、そこは現実世界ですから虚像空間をそのまま表現することは許されず別の論理が必要となります。


薄まったスープを濃いものにするために別の材料や調味料を入れることになります。すでに完成した世界を崩すわけで良くなることは考えにくいです。


乱暴に言うとピカソの抽象画を写実画に書き直すようなことで、それに意味があるのかなと思います。


ですから好きな作品の場合は、映画やドラマを見る前に原作を読むようにしています。それをどうアレンジするんだろうという目で見る楽しさはありますね。


局側としては、漫画の知名度を利用して視聴率をあげようという魂胆がミエミエでそのことが生んだ悲劇ですね。


これを機会にオリジナル作品が増えるといいと思うのですが。